豆知識・開発秘話

俺のミルク10周年!“超濃厚ミルクキャンデー”を目指した開発秘話

「濃い」だけで終わらせない。味の広がりまで設計した超濃厚ミルクキャンデー

ミルクキャンデーの中でも一際なめらかな口どけと、超絶濃厚な味わい。
ひと粒で“ミルクを食べた”感覚が残るのが、「俺のミルク」のいちばんの特徴です。

ミルクキャンデーは、定番が強く、指名買いが多いカテゴリー。
新しい商品が入っていくこと自体は不可能ではないものの、
「ファンになってもらう」までのハードルが高い世界でもあります。

そんな市場に、2015年10月に登場した「俺のミルク」は、今年で発売10周年。
今回は、味づくりを担った開発者・田尾さんに、「なぜ、あえてミルクキャンデーに挑戦したのか」「“後味が続く濃厚さ”はどうやってつくったのか」、そして10年を迎えた今の想いを聞きました。

濃厚なミルクキャンデーである”俺のミルク”商品パッケージと”俺のミルク”味覚

“会社の大命題”だったミルクキャンデー。なぜ、挑戦を続けたのか

——改めて、「俺のミルク」とはどのような商品ですか?

田尾:一番の特徴は、ミルクキャンデーの中でも類を見ないミルク味の“濃厚さ”です。ただ、狙ったのは単に重いミルク感ではなくて、ひと口で終わらず、もう一段、もう一段とミルクが押し寄せてくる感覚を目指しました。

——ミルクキャンデー市場への挑戦は、簡単ではなかったのでは?

田尾:正直、当社としてはこれまでミルクキャンデーで大きな手応えを掴みきれていなかったところがあって。社内でも、ミルクは“何度も挑戦してきた領域”なんですよね。
それでも挑戦したのは、市場が大きいこともありますし、会社としても「ここをやり切りたい」という気持ちがずっとあった。だからこそ、今回は中途半端にやらず、“やるなら振り切る”と決めました。

——田尾さんご自身は、ミルクにどんな想いがあったのでしょう?

田尾:実は、甘いお菓子をめちゃくちゃ食べるタイプではないんです。でも、牛乳は好きで。
ミルクって、素材としての魅力がすごく大きいのに、キャンデーになると“いい子”に収まりがちというか。だったら、もっと「ミルクってこんなに強いんだぞ」っていう方向に、振り切ってみたかったんです。

開発者と俺のミルク3フレーバーのパッケージ

原価も工程も、一度置いておく。まず“めちゃくちゃ濃厚なミルクキャンデー”をつくってみた

——開発のスタートは、どんなところから?

田尾:2014年に企画を立ち上げたときは、企画と技術を分けて考えるというより、一気通貫で「どういう味にするか」を詰めていきました。ネーミングやパッケージに関わる議論も含めて、最初から“商品としての顔つき”まで作っていく感覚でしたね。

——最初から“後味が続く濃厚さ”を狙っていた?

田尾:最初はもっとシンプルでした。原価も、製造工程も、いったん無視して、「とにかく濃厚なミルクキャンデー」を作ってみたんです。
理屈はあとでいいから、まずは“食べた瞬間に分かる違い”を作る。そこから全部が始まりました。

——反応はどうでした?

田尾:「おいしい」というより「クセがあるね」「他と違いがあるね」みたいな評価が先に来ました。極端に振ったからこそ、良くも悪くもちゃんと“違う”。
中には「あれはミルクじゃない」って言われたこともあります(笑)。でも、そこが逆に手応えでもあって。「ミルクキャンデーの当たり前」を崩せているなら、磨けば面白くなると思えました。

試作は“数えきれないほど”。他の企画を抱えず、ひたすら向き合った

——開発の中で、特に大変だったことは?

田尾:当時は他の企画を抱えず、これ一本に集中し、本当に数えきれないほど試作を重ねていたのでそこが大変でした。ミルクって、ちょっと触るだけで全体のバランスが崩れやすい。甘み、コク、香り、余韻……どこかを上げると、別のどこかが悪くなる。だから「一回調整して終わり」ではなく、それこそ、朝いちで味を確認して、また直して…の繰り返しで、何度も何度も、細かい試作を重ねました。

——製造面でも苦労が?

田尾:濃厚さを出すには、製造側の知恵がどうしても必要で。工程のシミュレーションから組み立てたり、手作業が増えるところは「どうしたら原価を合わせられるか」を一緒に考えたり。
実際、生産の方からのアドバイスで“味の出方”が良くなったタイミングもありました。開発だけで完結しない、まさに総力戦でしたね。

”俺のミルク”制作過程

「完成形に近づいた」ではなく——目指したのは「脳みそにくる…」ミルク感

——“これだ”と思えた瞬間はありましたか?

田尾:言い方を選ばずに言うと、「脳みそにくる…」って感覚に近づいたときですね(笑)。
もちろん刺激が強いって意味じゃなくて、
“ミルクってこういう満足感だよね”が、頭の奥まで届く感じ。

——その感覚が「俺のミルク」の核なんですね。

田尾:そうです。
一粒で「ミルクをちゃんと味わった」って思えたときに、ようやく狙ってた方向に乗った気がしました。

10周年を迎えて。これからも“ミルクの余韻”を磨き続けたい

——発売から10周年。今、どう感じていますか?

田尾:10年続いたのは、素直にうれしいです。最初は尖りすぎて見えた部分も、時間をかけて「これが俺のミルクだよね」と受け取ってくれる人が増えてきた。
“指名買いが強いカテゴリー”だからこそ、好きになってくれた方の存在は大きいです。

——今後、どんな展望がありますか?

田尾:基本は、やっぱりミルクキャンデーとしての完成度を上げること。余韻の気持ちよさとか、濃厚なのにくどくないバランスとか、まだまだ磨けると思っています。
それとは別に……これはほんと、夢みたいな話ですけど(笑)、いつかは牛乳そのものとか、アイスクリームみたいな他カテゴリーでも、「俺のミルクらしい濃厚さ」を表現できたら面白いですよね。
ただ、まずはこの一粒の説得力をもっと強くしていきたいです。

”俺のミルク”パッケージと俺ミル番長のぬいぐるみを持つ開発者

田尾 悟
ノーベル製菓株式会社 開発部
2008年ノーベル製菓株式会社に入社。入社後はキャンデー開発に従事。
好きなノーベル製菓の商品:しあわせレモンキャンデー

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